永坂シール印刷株式会社

印刷のマメ知識

KNOWLEDGE

印刷の種類

2022年10月02日

凸版印刷

凸版印刷は文字通り凹凸のある版の凸部にインキを塗りそれを用紙に転写させるという最も原紙的な印刷方法で簡単に言えばハンコを押していくような印刷方法です。
その歴史は古く、7~8世紀の東アジアで使われていた木版印刷が起源で、15世紀にヨハネス・グーテンベルクが作った活版印刷機もこの手法です。弊社が専門とするシーリング印刷や名刺などを刷る活版印刷、段ボール箱などの印刷をするフレキソ印刷などがこれにあたります。

版はかつては鋳造活字が用いられていたようですが現在ではエッチング技法による金属や樹脂製の版を使用します。工法的に従来はアミ点やベタは不得意でしたが最近は凸版輪転機の普及と製版技術の向上に伴い、カラー印刷や細かいベタ白抜き文字等もオフセット印刷に迫る仕上がりが可能になりました。

凹版印刷

凹版印刷は凸版とは逆に版の凹部にインキをためてそれをプレスし用紙に転写させる印刷方法で、今日ではポリ袋などに用いられるグラビア印刷がこの方法です。美術の時間にやったことがある方もおられるであろう『エッチング版画』がこの技法と同様です。
凸版印刷やオフセット印刷では印刷しにくい素材に適合する、他では得られない印刷濃度が出せる、細密な印刷が可能といった長所があります。その反面、版の制作費が高価、小ロットに対応できない等の欠点もあります。

平版印刷

平版印刷は凹凸のない平らな版の上に化学的に水に馴染みやすい部分を作り、水とインキの相性の悪さを利用してインキを転写させる方法で、18世紀に開発された石版印刷(リトグラフ)が起源です。
親水性部分を作った版の上にまず水を塗り次にインキを塗ります。インキと水は反発しあうので版上の水のついていない部分にだけインキがつきます。このインキを一度ブランケットと呼ばれるゴムの版胴に転写した後、用紙に転写させます。

これがオフセット印刷で今日では新聞を初めとする出版物、ポスター、チラシ等ほとんどの印刷物に使われています。用紙は一般に枚葉のものを使用しますがシール、ラベルなどロール仕上げが必要な物や逆に新聞等の超大ロットのものにはオフセット輪転機が使用されます。機械の種類によって大ロットから小ロットまで対応でき、写真製版によってほとんどの物を4色プロセスカラーで印刷することができます。

孔版印刷

孔版印刷は『穴の空いた版』の名のとおり目の細かい網にインキの通るところと通らないところを作り、穴の部分からインキを下に押しだし紙に転写させる方法です。昔懐かしい謄写版やシルク印刷(スクリーン印刷)がこれに当たります。
シルク印刷は印刷物のインキの層が厚く、そのため耐光性に優れているので屋外に長期掲示するもの等に利用されます。屋外看板、クルマ用のステッカーなどの多くはシルク印刷で作られます。

欠点としてはスクリーンと呼ばれる網目を通すので細かい物には適しません。また同じ理由でプロセスカラーも苦手とします。また、その印刷作業は手作業に近いものがあり大量印刷にも向きません。

どの印刷にでも言えることですが、価格、仕上がり、ロット、材質等によってベストの印刷方法を選ぶことが大切です。

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